マグカップから、細い湯気が立ちのぼる。
とりあえず一口。
そして、キーボードに指を置く。
今日も、コーヒーが冷めるまでのあいだだけ書こうと思う。
最初の数分は、まだ熱い。
頭も少し冴えていて、
言葉も素直に出てくる。
カタカタと打つ音。
画面に増えていく文字。
小さな前進。
途中で、手が止まる。
構成を直したくなったり、
別のタブを開きたくなったりする。
そのとき、もう一度コーヒーを飲む。
少し温度が下がっている。
時間がちゃんと進んでいる証拠だ。
大きな成果は出なくてもいい。
完璧な記事でなくてもいい。
コーヒーが冷めるまで、
逃げずに向き合えたなら、それでいい。
やがて湯気は消え、
味も少しだけ変わる。
カップの底が見えたころ、
文章もひとまず区切りがつく。
長時間じゃなくていい。
覚悟もいらない。
ただ、この一杯のあいだだけ。
コーヒーが冷めるまでの執筆時間。
それは、
自分と向き合うための、ちょうどいい長さなのかもしれない。
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