自分で書いた文章をAIに見せて、「読みやすく直してください」とお願いしたことがあります。
返ってきた文章は、確かに読みやすくなっていました。誤字はなく、言葉の重複も整理され、文の長さもそろっている。正直、「これはすごい」と思いました。
ところが、そのまま貼り付けようとして、ふと手が止まったんです。
きれいなのに、自分の文章ではなくなっていた
直った文章は整っています。けれど、どこか知らない人が書いたような顔をしていました。
私が書いた元の文章には、ちょっとした言い回しのクセがありました。同じことを二回言ってしまったり、話が少し脱線したり。そういう部分が、きれいに取り除かれていたんです。
読みやすさは上がったのに、「私が書いた」という感じは薄くなる。この感覚が、最初の大きな気づきでした。
直されて初めて、自分のクセが見えた
もうひとつ気づいたのは、自分のクセです。
AIに直してもらうと、元の文章と見比べられます。すると、自分がよく使う言葉や、無意識に入れてしまう前置きが見えてきました。
「〜と思います」を何回も使っていたこと。「とても」「かなり」と強調の言葉に頼っていたこと。一文が長くなりすぎる癖があったこと。
自分で読み返すだけでは、なかなか気づけません。直された文章と並べてはじめて、「あ、私ってこう書く人なんだ」と分かりました。
AIの直しは「正解」ではなく「選択肢」
はじめのうちは、直された文章を正解だと思って受け取っていました。でも何度か使ううちに、考え方が変わりました。
AIが出してくれるのは、あくまでひとつの案です。
- この直しは採用したい
- ここは元の言い方のほうが自分らしい
- この言葉は、読む人に合っていないかもしれない
そうやって一つずつ選んでいくと、直された文章がだんだん自分の文章に戻ってきます。全部を受け入れるのではなく、「選ぶ」ことで、文章が自分のものになるんだと思いました。
頼み方を変えると、返ってくるものも変わる
「直してください」とだけ頼むと、全体をきれいに整えてくれます。でもそれだと、さっきのように自分らしさまで薄まってしまいがちです。
そこで、頼み方を少し変えてみました。
- 誤字と脱字だけ直してください
- 意味は変えずに、読みにくい一文だけ教えてください
- 私の言い回しはなるべく残してください
こうお願いすると、返ってくる文章がぐっと自分に近くなります。AIの腕前というより、こちらが何を求めているかをはっきり伝えることが大事なんだと分かりました。
最後に読むのは、やっぱり自分
どんなに整った文章でも、最終的に公開するのは自分です。
読み終わったあとに「これは自分の言葉だ」と思えるか。そこだけは、AIには決められません。
私はいまのところ、AIを「文章を書いてくれる人」というより、「横で読んでくれる編集者」のように使っています。直してもらい、気づきをもらい、最後は自分の手で整える。この流れがいちばん落ち着きます。
もし文章をAIに直してもらったことがあるなら、直った文章だけでなく、直される前と後の違いも見比べてみてください。思っていたより、自分の書き方の特徴が見えてくるかもしれません。
そしてもうひとつ。きれいに直された文章より、少し不格好でも自分の言葉で書いた一文のほうが、読む人の心に残ることがあります。AIに直してもらうたびに、私はそれを確かめている気がします。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます
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