最近、何かを調べたいときにまず検索窓を開くのではなく、AIに直接質問するようになった。「おすすめの掃除機を教えて」「格安SIMの選び方は?」そんな風に聞くと、AIはいくつかの候補を挙げ、メリットとデメリットを整理して、こちらの状況に合わせた答えを返してくれる。
そこには、見慣れたバナー広告も、検索結果の上位に並ぶ「PR」の文字も存在しない。あるのはただ、質問と、それに対する答えだけだ。
これまでのインターネットは、広告というエンジンで動いてきた。誰かが検索し、誰かが記事を書き、誰かが広告を貼り、その循環の中でお金が巡っていた。けれどAIに直接答えを求める人が増えていくと、その循環のどこかが静かに途切れてしまうのかもしれない。ユーザーは広告を目にすることなく答えにたどり着き、企業は広告を出す場所そのものを見失っていく。
もちろん、AIの答えの裏側にも、誰かが書いた情報や、企業が発信したデータが存在している。AIは何もないところから答えを生み出しているわけではなく、これまで積み上げられてきた情報を土台にしている。だとすれば、広告が消えるというより、広告の「見え方」が変わっていくと考えるほうが自然なのかもしれない。バナーや検索結果の枠ではなく、情報そのものの信頼性や、AIに選ばれるだけの質を持った発信の中に、次の形の広告が溶け込んでいく。
それでも、ふとした瞬間に思う。もし本当に、質問した先に何の広告も存在しない世界が訪れたら、私たちはそれを便利だと喜ぶのだろうか。それとも、どこかで何かを失ったように感じるのだろうか。答えはまだ、誰にも分からない。
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